
冬キャンプにコットなしで行けるかな?みんな「コットは必須!」っていうけどお金もないし、できればコットは買いたくないな…。どうしたら「コットなし」ですごせるの?
こういった疑問にお答えします。
✔この記事でわかること
- 冬キャンプで必要な断熱性(R値)の理屈がわかる
- 自分の状況に合った「コットなし」の選択肢がわかる
- 「コットなし」にプラスする寒さ対策がわかる
「冬キャンプにコットは必須」
そんな言葉はよく聞きますが、実際はそんなこともありません。
何を隠そう私も、コットの組立がめんどくさい時は、マットだけで冬キャンプをします。
もちろん、コットを購入する人の多くは、冬キャンプでの底冷えを対策するのが目的です。
冬の底冷えは強烈ですからね。
寒くて眠れなかったら大変です。

ですが「コットなし」で眠れることもまた事実。
そのため、今回はコットなしで眠れる3つの方法を解説します。
結論から言うとこちらの3つです。
大切なことは「断熱性(R値)の理屈」を知ることと「自分に合った選択肢」を知ることです。
それでは、くわしく解説します。
※最低温度は-2℃前後を想定。雪中キャンプではありません。
✔この記事を書いた人
【コットなしの条件】冬キャンプで暖かく眠る3つの方法

「3つの方法の説明」の前にまずは基本となる、
「断熱性=R値」の理屈と冬キャンプの「基準」を説明します。

「R値」ってよく聞くけど何のこと?
R値とは、正式名称をR‐Value【Thermal resistance value】といって、日本語の直訳で「熱抵抗値」と訳します。
かんたんに言うと、
断熱性を表した数値で、数値が高いほど断熱性が高いとされます。
キャンプでは、床に敷くマット(インフレーターマット、エアーマット、ウレタンマットなど)に表記されており、その数値が高いほど地面からの冷気を軽減します。

じゃあ、冬キャンプに必要な「R値」はどれくらいなの?
冬キャンプのR値は「3.0~4.0以上」
下の表がサーマレストで標記されている季節ごとの目安となるR値です。

基本的に日本の冬キャンプではR値3.0~4.0以上が必要とされています。
なぜ「3.0~4.0以上」と幅があるのか?
というと、
それは、体感温度に個人差があるからです。
そのため、
寒さに強い人はR値3.0以上
寒さに弱い人はR値4.0以上
と覚えて下さい。
ちなみに、有名なサーマレストZライトソルのR値は2.0です、

そのため、
「Zライトソル単体では冬キャンプはむずかしい」
ということですね。
さて、話は戻って、
ここからは、コットなしで眠る3つの方法をくわしく解説します。
コットなしの条件①:マットを2重にする

コットなしで暖かく眠る方法のひとつ目は、「マットを2重にする」です。
じつは、先ほど説明したR値は足し算をすることができます。
つまり、
今お持ちのマットのR値が冬キャンプの基準であるR値3.0~4.0に届いてなくとも、別のマットを重ねることで、断熱効果が追加されるというわけです。
たとえば、先程のサーマレストZライトソルのR値は2.0なので、それを2重にすればR値4.0になります。
したがって、1枚だと冬キャンプは無理でも、2重にすることで底冷えを軽減できるのです。
実際に私もコットを組み立てるのが面倒なときに、この方法で冬キャンプをします。
私の場合は、サーマレストのZライトソルと、財布にやさしいキャプテンスタッグのマットを2重にして使っています。↓

ですが、ひとつ問題があります。
それは、キャプテンスタッグのマットにはR値が記載されていないのです。
おそらく、皆さんの中にもここまで読んだなかで、

そもそも、自分が使っているマットにはR値が書いてないんだけど…。
という方がいるかと。
じつは、R値の表記は登山用の商品を取り扱っているメーカーしか採用しておらず、キャンプ商品を取り扱っているメーカーは採用していないのです。
理由は、登山の方がよりシビア(危険)な環境だからです。
なので、そこまでシビアではないキャンプには厳密なR値が必要ないとメーカーが判断している可能性があります。(まあ、性能面で教えたくないのかも知れませんが…)

でも、冬キャンプは過酷だよね?どうにかできないの?
そうですよね。
なので、R値の「目安」をまとめました。
商品名 | 厚み | R値 | その他 |
---|---|---|---|
サーマレストZライトソル | 2.0cm | 2.0 | |
薄い銀マット | 0.2cm | 0.2~0.5 | |
段ボール | 2.5cm | 3.0~4.0 | 4~5枚を重ねる |
キャンプテンスタッグマット | 2.0cm | 1.0~2.0 | 予測値 |
キャンプテンスタッグR値の根拠は3つです。
- 私がZライトソルと2重にして寝ているので、R値1.0以上はある
- マットの厚さが2cmあると、R値1.0~1.5以上はある
- 同じEVA素材で実験しているブログを参照▶こちら
これらの理由で、キャンプテンスタッグのR値を予測しています。
そのため、持っているマットのR値がわからなくても『厚さ2cmでR値1.0~2.0の範囲』だと考えて下さい。
そして、驚きなのは『段ボール』ですね。
厚み2.5cm(段ボール4枚~5枚)でR値3.0~4.0もあります。
そのため、

どうしても2枚目のマットは買いたくないな…。
という方に「段ボール」はおすすめですよ。(4~5枚を重ねて下さい)
そういえば、ゆるキャン△でも紹介されていましたね。↓
ただし、
このマットを2重にするという方法は、「荷物が増える」というデメリットがあります。
そのため、
「車で行くから荷物の量は関係ないかな…」
「何よりも寒さ対策が優先!」
と言う人には、マットを2重にする方法はおすすめできます。
ですが、

やっぱり荷物は少ない方がいいな…。
という人におすすめできません。

じゃあ、荷物を少なくしたい人はどうしたらいいの!?
というと、
そんな人には「エアーマット」をおすすめします。
コットなしの条件②:エアーマットを使う

エアーマットとはインシュレーテッドマットとも呼ばれ、専用のポンプで内部を膨らませるマットです。
インフレーターマットよりも厚みがあり「断熱性」に優れます。
また、冬用エアーマットの内部構造は単なる空洞ではなく(それは夏用)、メーカー毎の特殊な断熱構造によって底冷えを遮断します。
※インフレーターマットとは、内部にウレタンなどのクッション材が入っており、専用のバルブを開放すると自動で空気が入ります。しかし、エアーマットよりも断熱性、重量、コンパクト性、クッション性で劣ります。
エアーマットのメリットは3つです。

- 軽量コンパクトになる(ペットボトルくらいの大きさ)
- クッション性が高い(空気の入れ具合で調整できる)
- 断熱性が高い(製品によっては冬の雪山もいける)
そのため、
という方に向いてます。
一方で、デメリットも3つです。
- パンクする可能性がある
- 物によっては値段が高い
- 空気を入れる作業が発生する
特に、エアーマットの購入で迷う人は「パンク」を心配していると思います。

寝てるときにパンクしたらどうするの?

せっかく高いお金で買ったのに、パンクしたら泣く…。
そうですよね。(笑)
その気持ちはわかります。
ですが、構造上パンクのリスクを「ゼロ」にすることはできません。
したがって、
「どうやったらそのリスクを軽減できるのか?」
と言う方向で考えてみましょう。
パンクのリスクを軽減する3つのポイント

この3つのポイントを意識するだけで、パンクのリスクはかなり下がりますよ。
たしかに、エアーマットはパンクのリスクがあります。
ですが、いっぽうで
エアーマットは軽量コンパクトで断熱性が非常に高いのが魅力です。
それによって荷物は最小限で、かつ暖かく眠れます。
したがって、将来的に「軽登山」などを考えている人は検討してみてください。↓
▶【R値を徹底比較】冬キャンプで使えるソロ用エアーマット5選
そしてここからは、

マットを2重のすることも、エアーマットも正直怖い。もっと「安全にすごせる方法」はないの?
という方へ最後の提案です。
コットなしの条件③:電源サイトを利用する

電源サイトを利用することが、一番安全に「コットなし」で眠れます。
なぜなら、
電源サイトを使うと電気カーペットが使えるからです。
私も家族で冬キャンプに行く際には、必ず電源サイトで電気カーペットを使います、
そして、あまりにも暖かいため「3シーズンシュラフ」で眠ることができるのです。↓
▶【電源サイトはコスパ最強】冬キャンプ初心者におすすめのサイト活用術
電源サイトでは「家庭用のコンセント」が使える

そもそも、電源サイトとは、家庭用のコンセントが使えるサイト(区画)のことで、キャンプ場によっては電源サイトが無い場所もあります。(むしろ、無いところが多いです)
値段も、約3,000円~5,000円と一般的なサイトよりも割高になっているのが特徴です。
そのため、電源サイトはこういった人におすすめ。
- どうしても寒さが心配な人
- 子供連れのファミリーキャンプ
- 初めて冬キャンプをする人
正直、電源コンセントが使えることで、携帯の充電だったり、子供のゲームだったり、プロジェクターを使って映画をみたり、至れり尽くせりのキャンプになります。
しかし、ひとつ大きなデメリットがあります。
それは、電源サイトを中心にキャンプ場選びをすると、そもそも電源サイトがある場所がすくないので、冬のキャンプ場が限定されてしまうことです。
つまり「好きな場所」でキャンプができないということですね。
そのため、

星がきれいな場所でキャンプがしたい
だったり、

川のせせらぎを見ながら冬キャンプがしたい
といった願いも電源サイトの有無で左右されてしまいます。

じゃあ、もうあきらめるしかないのかな?
安心してください。
そんな人のために『電源なし』で冬キャンプを快適に過ごす方法をまとめています。
もちろん、今回紹介した
「マットを2重にする」
「エアーマットを使う」
という手段もありますが、それ以外にも取れる手段があります。
大切なことは「適切な冬用装備」をそろえること。
個人的には、お金もかかるので「ソロ」から始めるのがおすすめですよ。↓
▶【祝:電源なし】冬キャンプを快適に過ごす冬用装備【結論:無敵です】
「コットなし」にプラスする寒さ対策

ここまで、コットなしで冬キャンプを過ごす3つの選択肢を解説しました。
ですが、この3つの選択肢はあくまでも「冬の底冷え」を対策しているだけです。
残念ながら、冬キャンプで暖かく眠るためには、
- シュラフ
- 暖房
- 服装
これらの対策をプラスする必要があります。
ですが、ここから説明すると長くなるので、詳細記事のリンクを貼っておきます。
自信が無いところだけ確認してみて下さい。
①シュラフ

シュラフのポイントは、
冬用シュラフを「買うか?or買わないか?」
正直、この選択で対応が変わります。
もし、資金に余裕があり、軽登山も考えている人は、こちらの記事をご覧ください。↓
▶【失敗しないシュラフ特集】冬キャンプおすすめの冬用シュラフ/寝袋10選
もしくは、
今お持ちの「3シーズンシュラフ」でなんとかしたい人はこちらの記事を。↓
▶【組合せの科学】冬キャンプを3シーズンシュラフで過ごす方法
②暖房

暖房を選ぶ際に大切なことは、
「暖房の選択肢」を知ることです。
その上で、自分の予算やスタイルにあった暖房器具を選ぶことが大切。
こちらの記事で冬キャンプに必要な暖房を紹介しています。↓
▶【最強のギア】冬キャンプおすすめの暖房グッズ9選【初心者必見】
③服装

服装のポイントは、
ではなく、
この一点に尽きます。
なぜなら、過酷な環境ですごす「登山家」の人たちが、まさにこの方法を使って体温をコントロールしているからです。
そして、その順番を紹介しているのがこの記事となります。↓
▶【秒でわかる】初心者が選ぶべき冬キャンプの服装【経験者の服装も公開】
まとめ

いかがでしたでしょうか?
今回は、コットなしで暖かく過ごす3つの方法を紹介しました。
もう一度、まとめると、
コットなしの選択肢は3つです。
この中で、
予算をできるだけ押さえたい人はマットを2重にするのがベストです。
特に、ダンボールの断熱性がものすごく高い(R値3.0~4.0)ので、お金をかけなくても冬キャンプができます(見た目の悪さも、マットの下に敷けば目立ちません)
また、
将来的に軽登山を考えている人はエアーマットが一番です。
値段は高いですが、あとから買い直すことが一番コストがかかるので、それなら最初から検討するのがよいかと。
最後に、
初めての冬キャンプなら電源サイトを利用することがベストです。
一番、確実で安全な方法ですよ。
そして、コットなしにプラスする寒さ対策は3つ
- シュラフ
- 暖房
- 服装
これらすべての寒さ対策ができるなら、間違いなく冬キャンプで暖かく眠れます。
今回は長くなりましたが、ここで解説を終わりにします。
それでは、楽しい冬キャンプを。
P.S.それでも冬の寒さが不安なら。
冬キャンプに必要なすべての「寒さ対策」をまとめています。↓
▶【冬キャンプ入門】寒さ対策のまとめページ【結論:初心者必須です】


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