石油ストーブを探している人
「石油ストーブはどれを選べばいいのかな?たくさん種類があってよくわかりません。でも、高い買い物だから失敗したくないし…。冬キャンプにおすすめの石油ストーブを教えてください」
こういった疑問にお答えします。
✔この記事でわかること
- 失敗しない石油ストーブの「選び方」がわかる
- 価格・燃費を比較した「おすすめの石油ストーブ」がわかる
- 一酸化炭素中毒を防ぐ「注意点」がわかる
「冬キャンプに行くなら石油ストーブは必要だよね?」
友人から聞いたアドバイスやネットで調べた情報から、石油ストーブの「重要性」は理解しています。
でも、実際に石油ストーブを選ぶとなると
種類が多すぎてよくわからない…
これが多くのキャンパーの悩みかと。
そこで今回は、
冬キャンプで1,000時間以上ストーブを使った私が本当におすすめの石油ストーブをご紹介。
さらには、とても危険な「一酸化炭素中毒」の注意点も解説します。
この記事を読めば、安全で快適な冬キャンプが過ごせますよ~。
✔この記事を書いた人
失敗しない石油ストーブの「選び方」
まずは、失敗しない石油ストーブの「選び方」を説明します。
いや、選び方は大丈夫。早くおすすめのストーブを教えて!
という方は下のリンクをクリック。↓
こちらをクリック!選び方のポイントは2つです。
選び方①:「対流型」or「反射型」で選ぶ
「対流型」とは、円筒状の形をしたストーブで、暖かい空気を上昇させて、部屋全体をじんわり暖めるタイプのストーブです。
その性質上、部屋の中心に置いて使用し「大きな部屋」を暖めるのに適しています。
こういったストーブのことですね。↓
一方で、「反射型」とは…
長方形の形をしたストーブで、熱源の後ろに反射板がついており、前方を中心に暖めるタイプのストーブです。
その性質上、部屋の角に置いて使用し「小さな部屋」を暖めるのに適しています。
こういったタイプのストーブですね。↓
以下が「対流型」と「反射型」の特徴をまとめた表になります。
対流型 | 反射柄 | |
---|---|---|
メリット | ・大型テントでも暖かい ・移動時に灯油を抜く必要がない ・見た目がレトロで雰囲気がよい | ・燃費がよい ・価格が比較的安い ・レイアウトの自由度が高い ・サイズ的に車に乗せやすい ・体を直接暖めやすい |
デメリット | ・価格が比較的高い ・燃費が比較的悪い ・レイアウトの自由度が低い ・大きくて車によっては入らない ・体を直接暖めにくい | ・移動時に灯油を抜く必要がある ・大型テントでは寒い |
以上のことから、
対流型=大型テント向け
反射型=小型テント向け
ということが言えます。
ですが、これだけでは不十分です。
実は、対流型でも「大型テント」に向かないタイプもあります
そこで次に重要なポイントが「火力」で選ぶことです。
選び方②:「火力」で選ぶ
一般的に石油ストーブには、そのストーブで暖めることができる「部屋のサイズ」が記載されています。
例えば、このストーブであれば「コンクリート24畳~木造17畳」とかですね。↓
そのため、
じゃあ、この部屋のサイズを参考にして選べばいいのかな?
と考えると思いますが、それは少し違います。
これは見落としがちですが、この目安はあくまでも「室内基準」です。
そのため、
屋外に設置するテントであれば、屋内よりも冷気が入ってくるので、もっと大きな火力のストーブが必要になります。
これが、
ストーブを使っても、ぜんぜん暖かくならない…。
という冬キャンプに多い失敗のひとつですね。
そのため、下記の「火力」を目安にしてください。
ツールームテントなどの「大型テント」⇒火力6.00KW以上
ソロテントやドームテントなどの「小型テント」⇒火力2.00~3.00KW
これが2つ目のポイントです。
ここまでの「選び方」をまとめると下記のとおり。
これが「失敗しない石油ストーブの選び方」です。
※注意点として、対流型で火力が2.00∼3.00KWのストーブは、大型テントには向きません。ですが、対流型でも反射板が付いているタイプもあり、それは小型テントに向いています。
「大型テント」におすすめの石油ストーブ3選
ここからは、ツールームテントなどの「大型テント」におすすめの石油ストーブを紹介します。
大型テントに合う石油ストーブの条件はこちらでしたね。↓
「対流型」で火力が6.00KW以上
この条件にあった石油ストーブはこちらです。
大型テント①:トヨトミ対流型 石油ストーブ 【コンクリート24畳~木造17畳】KS-67H(W)
こちらはトヨトミの対流型石油ストーブKS-67Hです。火力は驚きの6.66KW。
私も所有しており、サーカスTC BIGやツールームテントで何度も使用しています。
やはり、大型テントにはちょうどいい火力ですね。
一度試しに、家庭用の反射型ストーブ(木造6畳2.25KW)を使ったのですが、火力不足で寒かったです。
また、タンクが2重構造なので、灯油を抜かずに移動できます。
デメリットは燃費の悪さと重さですね。
だいたい夕方から満タンで使って、朝には再度給油が必要です。
また、重さも11kgあるので、運搬には力が必要ですね。
ですが、この2つは高火力とトレードオフの関係なので、そのぶん「暖かくすごせる」ことが最大のメリットですよ。
大型テント②:コロナ石油ストーブ対流型 (木造17畳まで/コンクリート23畳まで)SL-6619(W)
続いては、コロナの高火力ストーブSL-6619です。火力は6.59KW
正直、サイズ感や暖かさなど、先ほど紹介したトヨトミのストーブとほとんど変わりません。
コロナ | トヨトミ | |
---|---|---|
種類 | 対流型 | 対流型 |
火力 | 6.59KW | 6.66KW |
燃焼時間 | 10.9時間 | 9.7時間 |
サイズ | W46×D46×H59.8 | W48.2×D48.2×H58.3 |
重さ | 11.2kg | 11kg |
価格 | ¥22,380 | ¥19,793 |
個人的には、デザインと価格で「トヨトミ」に決めました。
ですが、どちらを選んでも「失敗はない」ので、直感的に「ビビッときた!」ほうを選ぶのもありですよ。
大型テント③:トヨトミ(TOYOTOMI) 対流形 石油ストーブ オリーブ KS-GE67 (コンクリート24畳/木造17畳まで)
こちらはトヨトミのギアミッションシリーズ。
ギアミッションとは、アウトドア向けに開発された石油ストーブで、その「無骨なデザイン」が大人気のストーブです。
火力は6.66KW。最初に紹介したトヨトミのストーブとスペックは同じですね。
違うところは「見た目」と「価格」です。
コロナ | トヨトミ | ギアミッション | |
---|---|---|---|
種類 | 対流型 | 対流型 | 対流型 |
火力 | 6.59KW | 6.66KW | 6.66KW |
燃焼時間 | 10.9時間 | 9.7時間 | 9.7時間 |
サイズ | W46×D46×H59.8 | W48.2×D48.2×H58.3 | W48.2×D48.2×H58.3 |
重さ | 11.2kg | 11kg | 11kg |
価格 | ¥22,380 | ¥19,793 | ¥35,200 |
価格は1.5倍以上するので、
高い!!高すぎる!!!
いや、価格以上の価値がある!!
と両方の意見があるかと。
経済的な部分で見ると、最初に紹介したトヨトミのストーブがおすすめですが、ギアミッションシリーズは無骨なテントには最高に合うので「自分の予算」と「持っているテントの雰囲気」で選ぶのもひとつです。
ちなみに、ギアミッションシリーズは昨年すぐに売り切れました。
なので、検討している人はできるだけ早めの判断をした方がいいですよ。
ギアミッションシリーズの詳しい説明はコチラ。
「小型テント」におすすめの石油ストーブ4選
ここからは、ソロやデュオ用で使える「小型テント」向けの石油ストーブを紹介します。
小型テントに合う石油ストーブの条件はこちら。↓
「対流型」or「反射型」で火力が2.00~3.00KW
おすすめのストーブがこちらです。
ソロ用①:PASECO(パセコ) 対流型 石油ストーブ WKH-3100S
こちらは2021年に発売されたPASECOのストーブです。
シンプルな見た目と買いやすい値段につられて、即座に購入してしまいました。
火力は3.00KWなので、ソロテントで十分な暖かさを誇ります。
実際に私もソロテントより少し大きいサーカスTCで使用しましたが、本当に暖かく過ごせました。
2022年からは新色(グレー|タン|ブラック|ホワイト|サンド)も発売されたので、好みの色があるか確認してみて下さい。
昨年はすぐに売り切れになったので、寒くなる前に検討したほうがいいですよ。
ソロ用②:アルパカ石油ストーブ/TS-231A/自動消火装置付
こちらは韓国のアルパカストーブ(対流型)で火力は3.00KW。
値段とスペックのバランスが取れた大人気のストーブです。
以前は、移動時の灯油漏れのレビューもあったのですが、最近では改善されました。
さらに、2019年から日本規格をクリアしたモデルが登場。(詳細はコチラ)
ちなみに、純正の反射板は無いのですが、メルカリで個人作成している方がいます。
反射板がないと寒く感じるので、アルパカ購入の際には検討してください。
ちなみに、オリーブカラーも新登場!
ソロ用③:フジカハイペット
こちらも大人気の石油ストーブ「フジカハイペット」(対流型)です。
火力は2.56KWと平均的ですが、対流型でありながら、オプションで純正の「反射板」もつけれるので、前方も暖まります。
また、「特許技術」によりタンクを横にしても、灯油がこぼれません。
下の表が「フジカハイペット」と「アルパカ」を比較した表になります。
フジカハイペット | アルパカ | |
---|---|---|
種類 | 対流型 | 対流型 |
火力 | 2.56KW | 3.0kW |
燃焼時間 | 約10~12時間 | 約10時間 |
サイズ | W31×D31×H43.2 | W35×D35×H40.5 |
重さ | 5.5kg | 約6.6kg |
反射板 | 純製品(オプション) | メルカリで購入 |
価格 | ¥29,700(反射板付) | ¥30,800 |
こちらも、正直スペックの面では大きな違いはありません。
ただし、フジカハイペットの場合は、注文は電話注文のみで、2021年5月現在、21ヵ月ちの状態です。
ひとつの案としては、フジカハイペットを予約しつつ、アルパカを購入して冬キャンプを楽しむ。そして、フジカハイペットが届いたら、アルパカをメルカリで売るということもできますよ。
ただし、アルパカを使用していると「アルパカ最高」となって、結局売れなくなりそうなので、気分によって「両方を使う」でもいいかもしれませんね。
ソロ用④:トヨトミ ギアミッションRS-GE23(G)
こちらは、トヨトミの石油ストーブ「ギアミッションRS-GE23(G)」です。
先ほど紹介した、ギアミッションシリーズの「反射型」になります。
こちらは私も使用しているストーブで、その使い勝手の良さからソロキャンプの際に重宝しています。
「フジカハイペット」「アルパカ」「パセコ」と比較した表はこちらです。↓
ギアミッション | フジカハイペット | アルパカ | パセコ | |
---|---|---|---|---|
種類 | 反射型 | 対流型 | 対流型 | 対流型 |
火力 | 2.25kW | 2.56KW | 3.0kW | 3.0kW |
燃焼時間 | 未記載 | 約10~12時間 | 約10時間 | 約18時間 |
サイズ | W42.2×D33×H44.6 | W31×D31×H43.2 | W35×D35×H40.5 | W32.5×D32.5xH44.1 |
重さ | 約6.6kg | 5.5kg | 約6.6kg | 重さ:5.2kg |
反射板 | 純正品 | 純製品(オプション) | メルカリで購入 | メルカリで購入 |
価格 | ¥16,500 | ¥29,700 | ¥30,800 | ¥18,999 |
やはり大きな違いは「価格」ですね。
この中では一番「お手頃な価格」です。
個人的には「納期」と「価格」の面からみるとギアミッションもよいかと。
ただし、反射型特有のメリット、デメリットがあるので、それも確認したうえで判断するのが失敗しない選択につながりますよ。
詳しい説明はこちらでしています。↓
参照:【ギアミッションを1年間使ってみた】トヨトミ石油ストーブRS-GE23(G)冬キャンプレビュー
石油ストーブを使用する際の「注意点」
ここからは、石油ストーブをテント内で使用する際の注意点を解説します。
石油ストーブをテントで使う際に注意するポイントは?
こんな疑問にお答えしていきます。
注意点①:一酸化炭素中毒
一酸化炭素とは、無味無臭の「有毒ガス」のことで、大量に吸い込むと「死の危険」があります。
一酸化炭素中毒の事故は、ニュースでも報道されてますよね。
基本的に一酸化炭素は、燃料(薪、ガス、石油、ガソリン)を燃やすと発生し、酸素が不足している「燃焼不良」のさいに顕著に発生します(じつは、焚き火やタバコの煙にも含まれています)
対策は2つです。
密閉したテントの中で石油ストーブなどの火気類を長時間使うと、酸素が薄くなり、燃焼不良がおこることで「一酸化炭素」を大量に発生させます。
なので、上記2つの対策は必ず実施しましょう。
特に、一酸化炭素チェッカーは値段もそこまで高く無いので検討してみて下さい。↓
ちなみに、
私は一酸化炭素中毒になりました。
ソロキャンプで油断した私の大失敗です。
どんな状況が危険なのか?私の実体験を参考にして下さい。↓
参考:【こうして私は一酸化炭素中毒になりました…】冬キャンプでの大失敗
また、
う~ん。石油ストーブを使うのはちょっと怖いな…。
と感じた方も安心して下さい。
それなら、安全な暖房器具もありますよ。↓
▶【一酸化炭素中毒者が選ぶ】冬キャンプで使える安全な暖房器具5選
注意点②:テント内の「寒暖差」
じつは、ツールムテントなどの大型幕で石油ストーブなどの暖房器具を使うと、テント内の「上の空気」と「下の空気」で「寒暖差」が発生します。
なぜなら、
暖かい空気と冷たい空気の「重さ」が違うからです。
そのため、せっかく石油ストーブを使っても「足元は寒くて天井が暖かい…」といった寒暖差が発生します。
したがって、こういった「ストーブファン」が必要になるのです。↓
私も使用していますが、ストーブの上に置くと自動で動くので、これ一台あるだけでテント内がさらに暖かくなりますよ。
ちなみに、反射型でも使えます。家ではいつもこれです。↓
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は失敗しないポイントを説明しながら、おすすめの石油ストーブを紹介しました。
最後に、選び方のポイントをまとめます。
ストーブの「型」と「火力」が重要になります。
また、石油ストーブを使う上での「注意点」は2つですね。
特に、一酸化炭素中毒に関しては「命の危険」もあるので、
- 適度な換気(1時間に1回。2~3分程度)
- 一酸化炭素チェッカーを使う
この2点は必ず実施しましょう。
それでは、楽しい冬キャンプを。
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