
「冬のワンポールはどんな感じ?やっぱり石油ストーブは必要だよね?正直、薪ストーブにも憧れるけど、ちょっと難しそうだしな…。他に必要な装備は何があるの?経験者に色々教えてもらいたいな」
こんな疑問にお答えします。
✔この記事でわかること
- ワンポールで暖かく過ごす方法がわかる
- ワンポールで最適な暖房がわかる
- ワンポールの注意点がわかる
実際にワンポールテントを冬キャンプで使うにはコツがいります。
特に、冬キャンプは夜になるとかなり寒くなるので、自然とテントの中で過ごす時間も増えていくのです。
そんな時にテントの中まで寒いと、いつまでも体を暖めることができず、とてもつらい冬キャンプを過ごすことに…。

そのため今回はワンポールテントで快適にすごす方法を解説。
これを読めば、ワンポールテントで大満足の冬キャンプが過ごせますよ。
✔この記事を書いた人
冬キャンプをワンポールテントで快適に過ごす方法

快適にすごす方法は3つです。
- 底冷え対策
- 寝床対策
- 幕内温度対策
この3つのポイントを守るだけで快適に過ごせます。
それでは、詳しく見ていきましょう。
快適に過ごす方法:①底冷え対策

底冷え対策とは、
地面からの底冷えを軽減する対策のことです。
これは、基本的には2つの方法があります。
- 電源サイトを利用
- コットを使用
■電源サイトを利用

電源サイトとは、家庭用のコンセントが使えるサイト(区画)のことで、キャンプ場によって完備している場所は限られます。
値段も3,000~5,000円と通常のサイトよりも少し割高です。
しかし、電源サイトを利用すると、家庭用の『ホットカーペット』が使えます。
そして、
ホットカーペットを利用すると、かんたんに地面からの底冷えを軽減できるのです。
これが電源サイトを利用する一番のメリットですね。
私も家族4人(子供2人)でワンポールテントを使う際には、必ず電源サイトを利用します。
そうすることで小さな子供がいても、かんたんに底冷えを遮断してくれるのです。

でも、デメリットはないのかな?
正直、あります。
実は、電源サイトの暖かさは魅力的ですが、
一方で、『キャンプ場が限定される』というデメリットがあります。
つまり、
「好きな場所」でキャンプができないのです。
電源サイトを優先すると、どうしても電源サイトがあるキャンプ場が中心になってしまいます。
そのため、

湖の目の前で冬キャンプがしたい
とか

きれいな海の近くでキャンプがしたい
といった願いを叶えることができません。

じゃあ、どうしたらいいの?
ここで、コットが登場します。
■コットを使用

コットとは簡易ベッドのことで、寝床が地面に直接ふれないので、地面からの冷気を軽減することができます。
そのため、コットがあると電源サイトを使う必要がなく、好きな場所でキャンプができるのです。

でも、コットって高いでしょ?
そうですね。
コットは5千円程度のものもありますが、安すぎるコットは耐久性が低いのでおすすめしません。
そのため、
最低でも1万円前後のコットを買う必要があります。
ですが、それを家族全員分買うと5万円以上かかってしまうことも…。
したがって、
ワンポールテントで「家族」とすごすなら電源サイト
もしくは、
ワンポールテントで「ソロ」もしくは「デュオ(2人)」ならコット
こういった使い分けがおすすめです。
つまり、ワンポールテントで家族で過ごすなら、好きな場所は少し我慢して、電源サイトを利用するのがおすすめ。
一方で、ソロの場合はコットを利用して、好きな場所で冬キャンプがおすすめですね。
また、

う~ん。それでもコットは買いたくないな…。他に方法は無いの?
という方もいるかと。
安心してください。方法はあります。
特に、
- あまりお金をかけたくない人
- 将来的に軽登山を考えている人
に最適な方法ですよ。
具体的には以下の3つの方法があります。
- マットを2重にする
- エアーマットを使う
- 電源サイトを利用する
特にマットを2重にする方法がコスパも高くおすすめです。↓
▶【コットなしの条件】冬キャンプで暖かく眠る3つの方法【無理は禁物】
お次は「寝床対策」です。
快適に過ごす方法:②寝床対策

寝床対策とは、
シュラフ内の温度を暖かくする対策のことです。
つまり、
「どうやって暖かく寝るの?」
といった内容になります。
私の家族4人がワンポールテントで寝る場合は、電源サイトで電気カーペットを利用しているので「3シーズンシュラフ」を使っています。

え?3シーズンシュラフで寒くないの?
と思うかもしれませんが、実はとても暖かいのです。
一応、私の場合は、
「3シーズンシュラフ」と保険として人数分の毛布をもっていきます。
その毛布をいつも子供達のシュラフの上に被せるのですが、寝汗がひどくなるので夜中には外しています。
そのため、最近では毛布すらかけていません。
要は、
それぐらい電気カーペットが暖かいということです。
また、「カンガルースタイル」も暖かく眠れる

カンガルースタイルとは、大きなテントの中に、寝室用の「小さなテント」を入れることです。
そうすることで空気の層を意図的に作り出し、小さなテントの保温性能をより高めます。
つまり、
服の重ね着ならぬ「テントの重ね着」のようなイメージです。
私の場合は、付属のインナーテントを使っていますが、おしゃれキャンパーはノースフェイスやMSRのインナーテントを使っています。
ビビットな色が差し色になって、サイトがよりおしゃれになりますよ。


コットの場合は「冬用シュラフ」

私はコットを使う時には「冬用シュラフ」を使っています。
冬用シュラフとは、
羽毛で作られたシュラフのことで、化繊で作られたシュラフよりも軽くてコンパクトになり暖かく眠れます。
しかし、値段が高額なのがデメリット。
だいたい3万円前後します。
この高額な冬用シュラフを購入することが、冬キャンプのハードルを上げている原因のひとつです。

高すぎるな~。冬用シュラフを購入しないで過ごす方法はないのかな?
ありますよ。
ひとつは、先程紹介したように「電源サイトを利用する方法」です。
もうひとつは、3シーズンシュラフに「重ね着」をすることです。
つまり、
- シュラフを2重にする
- シュラフの中にインナーシュラフを入れる
- シュラフカバーを使う
などの対策があります。
詳しい方法はこちらで解説しています↓
最後は、幕内温度対策です。
快適に過ごす方法:③幕内温度対策

幕内温度対策とは、
いかにテント内の温度を暖かく保つか
ということです。
つまり、テント内での「暖房器具」のお話しです。
私の場合は石油ストーブを使っています。
石油ストーブは持ち運びが多少手間ですが、家庭で使い慣れているのでとても便利で暖かいです。
ですが、石油ストーブに関しては大切なポイントがあります。
それは、
ストーブの対応畳数(例:6畳用)=テントの大きさではない
ということです。

え?どういうこと?
つまり、
家庭用のストーブの対応畳数(例:6畳用)はあくまでも、屋内で想定されているので、屋外ではもっと火力が高いストーブを使う必要があるということです。
これは多くのキャンパーが失敗しているポイントなので、必ず押さえておきましょう。
具体的には、4人家族で使うような大きなワンポールテントには6.00kw以上の火力が必要です。
ちなみに下の画像が、私の家族で使っているサーカスTC BIGです。

- サイズ(約):520×520×(H)350cm
- 4~6人用(私の家族は4人)
- ポリコットン素材
- スカート付き
そして、6.00kwのストーブはこちらを使っています。

ちなみに、ソロやデュオ用のテントだと2.00kw~3.00kwで十分です。
私がソロの場合は、トヨトミのギアミッションを使っています。


また、ワンポールテントの特性として天井が高いので開放感があります。
しかし、
暖かい空気は上昇する性質があるので、石油ストーブでいくらテント内を温めても「足元」は寒いままです。
そのため、こういった「ストーブファン」が必要なのです。

ストーブファンがあると暖かい空気と冷たい空気が混ざるので、天井が高いワンポールテントでも快適にすごすことができます。
ワンポールテントには必須のアイテムですね。

たしかに石油ストーブもいいけど、薪ストーブはどうなの?
そうですね。
薪ストーブの魅力は、圧倒的な暖かさと独特の雰囲気にあります。
ワンポールテントから伸びる煙突のシルエットが最高にカッコイイ。

ですが、個人的には薪ストーブはおすすめしません。
なぜなら、圧倒的にメンドクサイからです。
例えば、テントの設営後にいちいち組み立てるのもメンドクサイ。
煙突もテントに触れないように固定しなくてはならないですし、火を点けても最初は小まめに面倒をみておかなかればなりません。
煙が逆流したりしたら大変ですからね。
また、片付けも大変です。
中の灰をとって、部品をばらさないといけません。
たまに変形していて抜けにくかったら「イラッ」とします。
もちろん翌朝はすぐには帰れません。
これらを踏まえて、私は薪ストーブをおすすめしないのです。
しかし、
こんなに手間がかかるにも関わらず、薪ストーブを購入する方は増えています。
それは一体なぜでしょう?
つまり、それを上回る魅力があるということですね。

もし薪ストーブに興味があるなら、下記の記事をご覧ください。
ポイントは「覚悟」ですよ。
ワンポールテントのよくある質問

ここからはワンポールテントのよくある質問にお答えします。
「ああ、そうなんだ!」と役立つ情報もたくさんあるので、ぜひご覧ください。
【質問①】

ワンポールテントのメリットは何ですか?
結論から言うと、
高さがあることの開放感とシンプルな構造による設営時間の速さです。
ワンポールテントは他のテントと比べて高さがあります。

そのため、テントの中でくつろいだ時の、開放感がすばらしい。
また、設営時間が早いこともメリットです。
私の場合は、家族用のサーカスTC BIGを15分で設営していました。
ソロテントのヨカティピの場合は5分ですね。


ワンポールはシンプルな構造なので、とても設営がかんたんです。
そして、冬キャンプにおいて設営時間が早いというのは、大きなメリットです。
なぜなら、外は極寒ですからね。
早く設営できれば、それだけ早くテントの中で暖まることができて、かつリラックスできる時間も増えます。
だから、冬キャンプにはワンポールテントが向いているのです。
【質問②】

ワンポールテントのデメリットは何ですか?
結論から言うと、
デッドスペースがあることです。
ワンポールはその形状から、どうしてもデッドスペースと呼ばれる場所ができてしまいます。
つまり、テントの形状が尖っているのでスペースを有効的に使えないんですよね。
また、真ん中にあるセンターポールも地味に邪魔です。
これによって、大人数ではテントの中でご飯を食べたりするのが大変になります。
ちなみに、私の場合(4人家族)はサーカスTC BIG(8人用)でインナーテントを使うと、ほとんどスペースが無くて、食事をテントの中で食べるのが大変でした。

わかりますかね?
右側がそうなんですが、せまそうでしょ?(笑)
ソロやデュオならいいんですけどね。
また、私はまだ試したことはありませんが、サーカスTC用のトリポットと呼ばれる製品も出ており、よりスペースが効率的に使えますよ。

あと、このアイテムもワンポールテントに必要です。
こちらは、ファスナーサポートバーといって、ファスナーの先端に付けます。
ワンポールテントはその形ゆえ、テントの中から一番下のファスナーが締めにくいんですよね。
特に、テントが結露で濡れていると
「ファスナーを締めただけで、服がビチョビチョに…」
なんてことも。
そのため、このファスナーサポートがあるととても便利ですよ。(特に腰痛持ちの私のような中年男性には…。)
【質問③】

ワンポールテントの素材はポリコットンじゃないとダメですか?
結論:そんなことはありません。
ポリコットン素材でなくても冬キャンプはできます。
そもそも、ポリコットンのメリットは、
- 保温性能が高い
- 結露が軽減する
- 寿命が長い
などありますが、その中でも「保温性能が高い」ということが冬キャンプにピッタリです。
なので、ポリコットン素材のテントの方がより暖かくすごせます。
しかし、
この「保温性能」も石油ストーブなどの暖房器具があれば、簡単に補うことができるのです。
ですから、お持ちのテントがポリコットン素材でなくても何の問題もありませんよ。
実際に私もこちらのポリエステルのソロテントで冬キャンプをしています。
興味がある方は参考にして下さい。
【質問④】

ワンポールテントで結露対策は必要ですか?
結論から言うと、
結露対策は不要です。
これは、ワンポールテントに関わらず、すべてのテントに共通して言えます。
なぜなら、結露を完璧に防ぐことはできないからです。
「でも、ポリコットン素材なら結露はなくなるんじゃないの?」
と思われるかもしれませんが、それは大きな誤解なのです。
正直、ポリコットン素材でも結露は普通にします。
あくまでも、ポリエステル素材と比べて、結露が軽減するだけで、普通に「ビチャビチャ」になりますよポリコットン素材。
したがって、基本的に防ぐことができないので、結果、結露対策は不要なのです。
しかし、
羽毛シュラフだけは濡れに弱い性質があるので、ここだけは対策が必要です。
詳しくは、こちらで解説しています。
【質問⑤】

ワンポールテントにスカートは必要ですか?
結論から言うと、
ワンポールテントにスカートは不要です。
これもポリコットン素材と同様に、スカートが無くても冬キャンプはできます。
そもそもスカートは、外の冷たい空気を中に入れないようにするための防波堤の役割を果たします。

そのため、スカートがあることによって「保温性能」が増すのです。
したがって、スカートがないと外から冷気が入るので、テントの中が寒くなってしまいます。
ですが、これも石油ストーブなどの暖房器具があるだけで、驚くほど暖かくすごせるのです。
詳しくは下記の記事を参考にして下さい。↓
【質問⑥】

ワンポールテントで注意すべきことはありますか?
あります。
それは、一酸化炭素中毒です。
一酸化炭素中毒とは、酸素が薄くなり、ストーブなどの火気が不完全燃焼を起こすことで、顕著に発生します。
そのため、
締め切ったテントの中で、火気類を使用するのはとても危険なのです。
ですが、極寒の冬キャンプを暖房無しで過ごすのは「さすがに寒くてムリ!」となります。
したがって、暖房器具を使いつつ定期的に換気をして、テント内の空気を入れ替える必要があるのです。
効果的な対策は2点です。
- 1時間に一回の換気(2~3分)
- 一酸化炭素チェッカーを使う
特に、一酸化炭素は無味無臭なので、人間は頭痛などの症状が出るまで気づくことができません。
そのため、一酸化炭素チェッカーは必ず準備しましょう。
値段もそこまで高く無いので、検討してみて下さい。

ちなみに、
私は一酸化炭素中毒になりました。
私の油断が招いた大失敗です。
どういう状況が危険なのか?
私の失敗を参考にして下さい。↓
▶【こうして私は一酸化炭素中毒になりました…】冬キャンプでの大失敗
まとめ

いかがでしたでしょうか?
本日は、冬キャンプをワンポールテントで暖かくすごす方法を解説しました。
まとめると、ポイントは3つです。
- 底冷え対策
- 寝床対策
- 幕内温度対策
基本的には、この3つの対策を実施すれば暖かくすごせます。
あとは家族の人数、重視するポイントによって変わります。
たとえば、
小さい子供がいるので安全に暖かくすごしたいなら、電源サイトでカンガルースタイルを取り入れながら、電気カーペットを使うことが一番です。
さらに、暖房器具として石油ストーブがあれば最強ですね。
一方で、
恋人と2人で好きな場所で最高の体験をしたいなら、コットと冬用シュラフを用意し薪ストーブで暖まるスタイルが一番濃密な時間を楽しめます。
最終的に、どちらのスタイルでワンポールテントを楽しむかですね。
それでは、楽しい冬キャンプを。
P.S.最小限の荷物で冬キャンプがしたいなら↓
▶【暖房なしの秘密兵器】暖房なし冬キャンプおすすめの必須装備







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